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優先権~国際出願~

パリ条約に基づく優先権

パリ条約に基づく優先権、もしくは国内優先権を主張することができる。

特許協力条約 8条;日本語
優先権の主張
(1) 国際出願は、規則の定めるところにより、工業所有権の保護に関するパリ条約の締約国において又は同条約の締約国についてされた先の出願に基づく優先権を主張する申立てを伴うことができる。
(2)(a) (b)の規定が適用される場合を除くほか、(1)の規定に基づいて申し立てられた優先権の主張の条件及び効果は、工業所有権の保護に関するパリ条約のストックホルム改正条約第四条の定めるところによる。
(b) いずれかの締約国において又はいずれかの締約国についてされた先の出願に基づく優先権の主張を伴う国際出願には、当該締約国の指定を含めることができる。国際出願が、いずれかの指定国において若しくはいずれかの指定国についてされた国内出願に基づく優先権の主張を伴う場合又は一の国のみの指定を含む国際出願に基づく優先権の主張を伴う場合には、当該指定国における優先権の主張の条件及び効果は、当該指定国の国内法令の定めるところによる。
(特許協力条約 8条;WIPO)

以下の日付は、優先日を基準に判断される。

  1. 国際調査
  2. 国際調査見解書
  3. 国際予備審査報告の作成

<関連法規>

国際出願ガイドライン 6.02;日本語
6.02
しかし、多くの場合、国際出願は先の出願の出願日の優先権を主張する。この場合、特定の期間を計算するために用いられる日は、優先日(すなわち先の出願の出願日)となる。さらに、国際審査、すなわち(国際調査機関、国際予備審査機関の)見解書及び国際予備審査報告の作成のために有効な日となるのは優先日である。
国際調査のための基準日は、常に国際出願日であることに注意しなければならない。11.03項は、国際調査のための「基準日」を定義しているのに対し、11.04~11.05項は、見解書(国際調査機関が作成するもの、国際予備審査機関が作成するもののいずれも)及び国際予備審査報告のための「基準日」を定義している。
17.26及び18.16項も参照。15.01項は、国際調査のための「関連のある先行技術」を定義しており、11.01項は、先行技術の一般的な定義を説明している。
(国際出願ガイドライン 6.02;特許庁)

国際出願は、先の出願から12カ月以内であれば、2以上の先の出願に基づいて優先権を主張することができる。それらは、異なる国に出願されたものであっても良い。

<関連法規>

国際出願ガイドライン 6.05;日本語
6.05
国際出願は、2以上の先の出願に基づき優先権を主張することができ(「複合優先」)、それらの出願は、異なる国にされたものであってもよい。この場合、最先の出願が、国際出願の出願日の前12か月以内にされていなければならない。
国際出願の各要素に対して、その要素を開示する最先の優先権の基礎出願による優先日を認める。例えば、国際出願は、2つの実施例(AとB)を明細書及びクレームに記載したものであって、Aはフランスの出願において開示され、Bはドイツの出願において開示され、両出願とも過去12か月以内に出願されたものである場合には、国際出願の該当する部分について、国際出願の該当する部分についてフランスとドイツ両方の出願による優先日を主張することができる。
すなわち、実施例Aはフランスの出願による優先日を有し、実施例Bはドイツの出願による優先日を有する。国際出願が、特定事項Cを開示する先の第1の出願と、特定事項Dを開示する先の第2の出願を基礎とするものであって、先の出願のいずれにもCとDの組合せについては開示されていない場合には、CとDの組合せに係るクレームについては、国際出願そのものの出願日のみが与えられる。
すなわち、優先権書類に開示された事項の寄せ集めは認められない。なお、優先権書類が、他の優先権書類に言及しており、2つの書類に記載された特定事項を特定の方法で組み合わせることができることを明示的に述べている場合には、例外的に認められることもあり得る。
(国際出願ガイドライン 6.05;特許庁

優先権の主張の手続

出願人は、規則 4.10に従って、願書に以下を記載する。

規則 4.10;日本語
4.10 優先権の主張
(a) 第八条(1)に規定する申立て(「優先権の主張」)は、工業所有権の保護に関するパリ条約の締約国において若しくは同条約の締約国について又は同条約の締約国ではないが世界貿易機関の加盟国である国において若しくは同条約の締約国ではないが同機関の加盟国である国についてされた先の出願に基づく優先権を主張することによつて行うことができる。優先権の主張は、願書において行うものとし、先の出願に基づく優先権を主張する旨の陳述及び次の事項を記載することによつて行う。
(ⅰ) 先の出願の日付
(ⅱ) 先の出願の番号
(ⅲ) 先の出願が国内出願である場合にあつては、その出願がされた工業所有権の保護に関するパリ条約の締約国又は同条約の締約国ではないが世界貿易機関の加盟国である国の国名
(ⅳ) 先の出願が広域出願である場合にあつては、適用される広域特許条約に基づき広域特許を与える任務を有する当局
(ⅴ) 先の出願が国際出願である場合にあつては、その出願がされた受理官庁
(b) (a)(ⅳ)又は(ⅴ)の規定に基づき要求される記載に加え、
(ⅰ) 先の出願が広域出願又は国際出願である場合にあつては、優先権の主張には、その先の出願がその国についてされた一又は二以上の工業所有権の保護に関するパリ条約の締約国の国名を記載することができる。
(ⅱ) 先の出願が広域出願であり、かつ、当該広域出願について適用される広域特許条約の締約国のいずれかが工業所有権の保護に関するパリ条約の締約国又は世界貿易機関の加盟国のいずれでもない場合にあつては、優先権の主張には、その先の出願がその国についてされた国のうち少なくとも一の同条約の締約国又は同機関の加盟国の国名を記載する。
(c) 第二条(ⅵ)の規定は、(a)及び(b)の規定については、適用しない。
(d) 二千年一月一日から効力を生ずる修正された(a)及び(b)の規定が千九百九十九年九月二十九日において指定官庁が適用する国内法令に適合しない場合には、当該指定官庁がその旨を千九百九十九年十月三十一日までに国際事務局に通告することを条件として、当該規定が当該国内法令に引き続き適合しない間、当該指定官庁については、千九百九十九年十二月三十一日まで効力を有する(a)及び(b)の規定がその日の後も引き続き適用される。国際事務局は、その通告を速やかに公報に掲載する。
規則 4.10
  1. 先の出願の日付
  2. 先の出願の出願番号
  3. 国内優先権である場合には先の出願の国名
  4. 先の出願が国際特許出願である場合には、出願がされた受理官庁

出願人は、優先日から16カ月以内に優先権証明書を提出しなければならない。

<関連法規>

国際出願ガイドライン 6.11;日本語
6.11
優先権の主張をする出願人は、規則4.10(6.13項参照)の規定に従い、願書(様式PCT/RO/101)において、その旨を陳述し、先の出願に関する事項を記載しなければならない。
ただし、規則26の2により、6.16項で規定される所定の期間内において、優先権の主張の補充(追加、削除も含む。)が認められている。
(国際出願ガイドライン 6.11;特許庁

出願時に、願書で優先権を主張しなかった場合でも、優先日から16カ月以内であれば、優先権の主張の補充をすることができる。ただし、国際出願日から4カ月以内に手続をしなければならない。

<関連法規>

規則 26.2;日本語
26.2 補充のための期間
26.1に規定する期間は、補充の求めの日から二箇月とする。指定した期間は、決定が行われる前はいつでも、受理官庁が延長することができる。
(規則 26.2;WIPO)
 
国際出願ガイドライン 6.16;日本語
6.16
規則26の2の規定により、優先権の主張に関する表示が願書(様式PCT/RO/101)にされなかった場合に、優先日から16か月の期間、又は、優先権の主張の補充もしくは追加により優先日について変更が生じる場合には変更された優先日から16か月の期間のうち、いずれか早く満了する期間内に、出願人は、国際事務局又は受理官庁に当該優先権の主張に関する表示を提出しなければならない。
ただし、優先権の主張の補充又は追加に関する書面が、国際出願日から4か月を経過する時までに提出することができる場合に限る。優先権の主張の補充には、規則4.10に規定する表示の補充又は追加を含めることができる。
(国際出願ガイドライン 6.16;特許庁

優先権主張の取下げ

優先日から30カ月を経過する前であれば、出願人は「優先権の主張取下書」を受理官庁に提出することにより優先権の主張を取り下げることができる。(様式2-26)

ただし、国内優先権を主張した出願は、基礎となる出願が出願日から1年3カ月経過後みなし取り下げとなってしまうため、みなし取り下げとなる前に優先権の主張の取り下げ又は指定国から日本の除外等の措置を取る必要がある。
国内優先権の主張の取り下げは、上申書(様式2-9)を提出することにより行う。

<関連法規>

規則 90の2.3;日本語
90の2.3 優先権の主張の取下げ
(a) 出願人は、国際出願において第八条(1)の規定に基づいて申し立てた優先権の主張を優先日から三十箇月を経過する前にいつでも、取り下げることができる。
(b) 出願人は、国際出願が二以上の優先権の主張を伴う場合には、それらの優先権の主張のいずれか又はすべてについて(a)に規定する権利を行使することができる。
(c) 取下げは、出願人の選択により国際事務局、受理官庁又は、第三十九条(1)の規定が適用される場合には、国際予備審査機関に対する出願人からの通告の受領の時に効力を生ずる。
(d) 優先権の主張の取下げが優先日について変更が生じる場合には、もとの優先日から起算した場合にまだ満了していない期間は、(e)の規定に従うことを条件として、変更の後の優先日から起算する。
(e) 第二十一条(2)(a)に定める期間については、国際事務局は、出願人、受理官庁又は国際予備審査機関により送付された取下げの通告が国際公開の技術的な準備が完了した後に国際事務局に到達した場合には、もとの優先日から起算したその期間を基礎として当該国際公開を行うことができる。
(規則 90の2.3;WIPO)

(国際出願の手続き 優先権主張の取下げ;特許庁

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