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国際予備審査請求~国際出願~

国際予備審査請求とは

出願人は、国際予備審査請求により、国際予備審査機関から請求の範囲に記載された発明の進歩性・新規性・産業上の利用可能性について予備的かつ拘束力のない見解を得ることができる。

<関連法規>

特許協力条約 33条;日本語
第三十三条 国際予備審査
(1) 国際予備審査は、請求の範囲に記載されている発明が新規性を有するもの、進歩性を有するもの(自明のものではないもの)及び産業上の利用可能性を有するものと認められるかどうかの問題についての予備的なかつ拘束力のない見解を示すことを目的とする。
(2) 国際予備審査に当たつては、請求の範囲に記載されている発明は、規則に定義する先行技術のうちに該当するものがない場合には、新規性を有するものとする。
(3) 国際予備審査に当たつては、請求の範囲に記載されている発明は、所定の基準日に当該技術分野の専門家にとつて規則に定義する先行技術からみて自明のものではない場合には、進歩性を有するものとする。
(4) 国際予備審査に当たつては、請求の範囲に記載されている発明は、いずれかの産業の分野においてその発明の対象がその発明の性質に応じ技術的な意味において生産し又は使用することができるものである場合には、産業上の利用可能性を有するものとする。「産業」の語は、工業所有権の保護に関するパリ条約におけると同様に最も広義に解釈する。
(5) (1)から(4)までに規定する基準は、国際予備審査にのみ用いる。締約国は、請求の範囲に記載されている発明が自国において特許を受けることができる発明であるかどうかを決定するに当たつては、追加の又は異なる基準を適用することができる。
(6) 国際予備審査に当たつては、国際調査報告に列記されたすべての文献を考慮に入れるものとし、更に、当該事案に関連があると認められる文献をも考慮に入れることができる。
(特許協力条約 33条;WIPO)

国際予備審査請求の時期

出願人は、次のうちのいずれか遅く満了する期間まで国際予備審査請求をすることができる。

  1. 国際調査報告又は国際調査報告を作成しな旨の宣言および国際調査機関の見解書の送付日から3カ月
  2. 優先日から22カ月

国際予備審査請求の手続

国際予備審査請求書

出願人は、所定のフォームの国際予備審査請求書を提出する。

国際予備審査請求書の記載方法については、下記のサイトを参照のこと。

<関連サイト>
(国際出願の手続き 第3節国際予備審査請求書の作成要領;特許庁

国際予備審査請求の手数料

上記請求書と併せて、所定の手数料を以下の期間のいずれか遅いほうまでに支払わなければならない。

  1. 国際予備審査請求書の提出から1カ月
  2. 優先日から22カ月

上記期間内に手数料が支払われない場合には、補正命令がなされる。出願人は、1カ月以内に手数料を支払わなければならない。手数料が支払われなかった場合には、国際予備審査請求はなされなかったものとみなす。

<関連法規>

規則 57の3;日本語
57.3 支払期間及び支払額
(a) (b)及び(c)の規定に従うことを条件として、取扱手数料は、国際予備審査の請求書が提出された日から一箇月以内又は優先日から二十二箇月の期間のうちいずれか遅く満了する期間内に支払う。
(b) (c)の規定に従うことを条件に、国際予備審査の請求書が59.3の規定により国際予備審査機関に送付された場合には、取扱手数料は、当該国際予備審査機関が当該請求書を受理した日から一箇月以内又は優先日から二十二箇月の期間のうちいずれか遅く満了する期間内に支払う。
(c) 国際予備審査機関は、69.1(b)の規定に従い、国際調査と同時に国際予備審査を開始することを希望するときは、取扱手数料を求めの日から一箇月の期間内に支払うよう出願人に求める。
(d) 取扱手数料の支払額は、支払の日に適用される額とする。
(規則 57の3;WIPO)
 
規則 58の2.1;日本語
58の2.1 国際予備審査機関による求め
(a) 国際予備審査機関は、次の場合には、これらの手数料を賄うために必要な額及び、該当するときは、58の2.2の規定に基づく後払手数料を求めの日から一箇月の期間内に支払うよう出願人に求める。
(ⅰ) 当該国際予備審査機関に支払われた額が取扱手数料及び予備審査手数料に不足すると認めた場合、又は
(ⅱ) 57.3及び58.1(b)の規定に基づく支払時期までに手数料が当該国際予備審査機関に支払われていないと認めた場合
(b) 国際予備審査機関が(a)の規定に基づく求めを送付し、かつ、出願人が(a)に規定する期間内に支払うべき額(該当する場合には、58の2.2の規定に基づく後払手数料を含む。)を完全に支払わなかつた場合には、国際予備審査の請求は、(c)の規定が適用される場合を除くほか、行われなかつたものとみなし、国際予備審査機関はその旨を宣言する。
(c) 国際予備審査機関が(a)の規定に基づく求めを送付する前に受領した支払は、57.3又は58.1(b)に規定する期間の満了前に受領したものとみなす。
(d) 国際予備審査機関が(b)の規定に基づく手続を行う前に受領した支払は、(a)の規定に基づく期間の満了前に受領したものとみなす。
(規則 58の2.1;WIPO)

手続の補完・手続の補正

手続の補完

国際予備審査請求が以下のいずれかに該当する場合には、手続の補完が命じられる。

  1. 手数料が納付されていない場合
  2. 発明の名称が記載されていない場合
  3. 国際出願番号及び国際出願日の記載が無い場合
  4. 国際出願の言語により記載されていない場合

<関連法規>

規則 60.1(a);日本語
60.1 国際予備審査の請求書の欠陥
(a) (aの2)及び(aの3)の規定に従うことを条件として、国際予備審査の請求書が53.1、53.2(a)の(ⅰ)から(ⅲ)まで、53.2(b)、53.3から53.8まで及び55.1に定める要件を満たしていない場合には、国際予備審査機関は、出願人に対し、事情に応じて相当の期間内に欠陥の補充をすることを求める。その期間は、求めの日から一箇月以上とするものとし、決定が行われる前はいつでも、国際予備審査機関が延長することができる。
(aの2) 53.4の規定
(規則 60.1(a);WIPO)

出願人は、命令の日から1カ月以内に手続補完書を提出しなければならない。応答しなかった場合には、国際予備審査請求は初めからなかったものとみなされる。

手続の補正

国際予備審査請求が以下のいずれかに該当する場合には、手続の補正が命じられる。

  1. 出願人の氏名が記載されていない場合
  2. 国際予備審査を請求する旨の申し立てが記載されていない場合
  3. 出願人全員の記載が無い場合
  4. 出願人の国籍及び住所が記載されていない場合
  5. 代理人のあて名の記載が無い場合
  6. 押印が無い場合
  7. 代理人の資格に不備がある場合
  8. 請求書の書式が間違っている場合

出願人は、命令の日から1カ月以内に手続補完書を提出しなければならない。応答しなかった場合には、国際予備審査請求は初めからなかったものとみなされる。

単一性が無い場合

請求の範囲に記載された発明が単一性が無いと判断された場合は、請求の範囲を減縮するか、追加手数料を納付すべき旨が命じられる。出願人は、1カ月以内に命令書に応答しなければならない。命令書には、以下の内容が記載されている

  1. 発明の単一性を満たすこととなる請求の範囲の減縮の例示
  2. 追加して納付すべき手数料の金額
  3. 発明の単一性を満たしていない理由

<関連法規>

特許協力条約 34条(3)(a);日本語
第三十四条 国際予備審査機関における手続
(3)(a) 国際予備審査機関は、国際出願が規則に定める発明の単一性の要件を満たしていないと認める場合には、出願人に対し、その選択によりその要件を満たすように請求の範囲を減縮し又は追加手数料を支払うことを求めることができる。
(特許協力条約 34条(3)(a);WIPO)

(国際出願の手続き 4 発明の単一性の欠如;特許庁

国際予備審査請求の取下げ

出願人は、優先日から30カ月を経過する前であれば、国際予備審査の請求を取り下げることができる。
取下げは、国際事務局に届け出る。取下げの効力は、国際事務局が出願人に発送した通知を出願人が受理した際に発生する。

<関連法規>

特許協力条約 37条(3)(a);日本語
第三十七条 国際予備審査の請求又は選択の取下げ
(1) 出願人は、いずれかの又はすべての選択国の選択を取り下げることができる。
(2) すべての選択国の選択が取り下げられた場合には、国際予備審査の請求は、取り下げられたものとみなす。
(3)(a) 取下げは、国際事務局に届け出る。
(特許協力条約 37条(3)(a);WIPO)

国際予備報告

国際予備報告の作成期間

国際予備報告は、以下の期間のいずれか遅く満了する期間までに作成される。

  1. 優先日から28カ月
  2. 国際予備審査の請求から6カ月
  3. 国際予備審査期間が求める言語で、かつ国際公開言語である言語による翻訳文の受理から6カ月

<関連法規>

規則 69.2;日本語
69.2 国際予備審査のための期間
国際予備審査報告を作成するための期間は、次の期間のうち最も遅く満了する期間とする。
(ⅰ) 優先日から二十八箇月
(ⅱ) 69.1に規定する国際予備審査の開始の時から六箇月
(ⅲ) 55.2の規定に従って提出された翻訳文を国際予備審査機関が受理した日から六箇月
(規則 69.2;WIPO)

国際予備報告の内容

国際予備報告には、以下の内容が記載される。

  1. 請求の範囲に記載された発明が新規性・進歩性・産業上の利用可能性があるか
  2. 上記を裏付ける文献や必要な説明、他の意見
  3. 国際予備審査機関の名称・出願番号・出願人の氏名・国際出願番号・国際出願日
  4. 国際予備報告を作成した日
  5. 発明の属する分野の国際出願分類記号
  6. 補正が出願時における開示の範囲を超えてされていると判断された場合は、その旨と理由
  7. 国際調査報告が作成されていない発明であり、国際予備審査の対象とならなかった旨
  8. 国際予備審査機関に補正書が提出された場合には、その事実
  9. 単一性の解釈
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