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国際調査~国際出願~

国際調査とは

請求の範囲に記載された発明に関連する先行技術を調査することを目的として、国際調査機関によって実施される。
関連する先行技術は、国際出願の出願日(優先権を主張した場合は優先日)を基準として、当該日付よりも日前の文献について調査が行われる。

<関連法規>

特許協力条約 15条,16条;日本語
第十五条
国際調査
(1) 各国際出願は、国際調査の対象とする。
(2) 国際調査は、関連のある先行技術を発見することを目的とする。
(3) 国際調査は、明細書及び図面に妥当な考慮を払つた上で、請求の範囲に基づいて行う。
(4) 次条に規定する国際調査機関は、可能な限り多くの関連のある先行技術を発見するよう努めるものとし、いかなる場合にも、規則に定める資料を調査する。
(5)(a) 締約国の国内法令が認める場合には、当該締約国の国内官庁又は当該締約国のために行動する国内官庁に国内出願をした出願人は、国内法令に定める条件に従い、国際調査に類する調査(「国際型調査」)がその国内出願について行われることを請求することができる。
(b) 締約国の国内法令が認める場合には、当該締約国の国内官庁又は当該締約国のために行動する国内官庁は、当該国内官庁にされた国内出願を国際型調査に付することができる。
(c) 国際型調査は、次条に規定する国際調査機関であつて国内出願が国際出願として(a)及び(b)に規定する国内官庁にされたとしたならば国際調査を管轄したであろうとされるものが行う。国際調査機関が処理することができないと認める言語で国内出願がされている場合には、国際型調査は、国際出願のための所定の言語であつて当該国際調査機関が国際出願の言語として認めることを約束しているもので出願人が作成した翻訳文に基づいて行う。国内出願及び必要な翻訳文は、国際出願のための所定の形式で提出する。

第十六条
国際調査機関
(1) 国際調査は、国際調査機関が行うものとし、国内官庁又は出願の対象である発明に関する先行技術についての資料調査報告を作成する任務を有する政府間機関(例えば、国際特許協会)を国際調査機関とすることができる。
(2) 単一の国際調査機関が設立されるまでの間に二以上の国際調査機関が存在する場合には、各受理官庁は、
(3)(b)に規定する関係取決めに従い、国際出願についての国際調査を管轄することとなる一又は二以上の国際調査機関を特定する。
(3)(a) 国際調査機関は、総会が選定する。国内官庁及び政府間機関は、(c)に規定する要件を満たしている場合には、国際調査機関として選定されることができる。
(b) 選定は、選定される国内官庁又は政府間機関の同意を得ること及び総会の承認を得て当該国内官庁又は当該政府間機関と国際事務局との間に取決めが締結されることを条件とする。この取決めには、当事者の権利及び義務、特に、国際調査のすべての共通の準則を適用しかつ遵守する旨の当該国内官庁又は当該政府間機関の公式の約束を明記する。
(c) 国内官庁又は政府間機関が選定される前に及び選定されている間満たしていなければならない最小限の要件、特に人員及び資料に関する要件は、規則に定める。
(d) 選定は、一定の期間を付して行うものとし、選定期間は、更新することができる。
(e) 総会は、国内官庁若しくは政府間機関の選定若しくは選定期間の更新について決定する前又は選定期間の満了前に、当該国内官庁又は当該政府間機関の意見を聴取し及び、第五十六条に規定する技術協力委員会が設置されている場合には、同委員会の助言を求める。
(特許協力条約 15条,16条;WIPO)

補充国際調査

出願人の請求により、補充国際調査機関(SISA)から補充国際調査を受けることができる。ただし、日本特許庁は補充国際調査機関ではない。

出願人は、優先日から19カ月までに、国際事務局に対して補充国際調査の請求をすることができる。補充国際調査は、2以上の補充国際調査機関に請求できる

<関連法規>

規則 45の2;日本語
第四十五規則の二 補充国際調査
45の2.1 補充調査請求
(a) 出願人は、優先日から十九箇月を経過する前にいつでも、国際出願について45の2.9の規定に基づき補充国際調査を管轄する国際調査機関が補充国際調査を行うことを請求することができる。その請求は、二以上の当該国際調査機関について行うことができる。
(b) (a)の規定に基づく請求(「補充調査請求」)については、国際事務局に対して行うものとし、その請求書には、次の事項を記載する。
(ⅰ) 出願人及び、該当する場合には、代理人の氏名又は名称及びあて名、発明の名称、国際出願日並びに国際出願番号
(ⅱ) 補充国際調査を行うことを請求される国際調査機関(「補充調査のために指定された機関」)
(ⅲ) 国際出願が当該国際調査機関により認められていない言語によりされた場合には、12.3又は12.4の規定に基づき受理官庁に提出された翻訳文を補充国際調査の基礎とするか否か。
(c) 補充調査請求書には、該当する場合には、次のものを添付する。(ⅰ) 国際出願がされた言語又は、該当する場合には、12.3又は12.4の規定に基づき提出された翻訳文の言語のいずれもが補充調査のために指定された機関が認める言語でない場合には、当該機関が認める言語による国際出願の翻訳文
(ⅱ) 補充調査のために指定された機関が要求する場合には、望ましくは、実施細則に定める基準を満たす電子形式による配列リストの写し
(d) 国際出願が発明の単一性の要件を満たしていないと国際調査機関が認めた場合には、補充調査請求書には、当該国際調査機関が特定する発明のうち第十七条(3)(a)に規定する主発明以外の一の発明に補充国際調査を減縮することを出願人が希望する旨の表示を記載することができる。
(e) 次の場合には、補充調査請求は行われなかつたものとみなし、国際事務局は、その旨を宣言する。
(ⅰ) (a)に規定する期間の満了後に受領した場合
(ⅱ) 補充調査のために指定された機関が、第十六条(3)(b)に規定する関係取決めにおいて当該調査を行う用意がある旨を記載していない場合又は45の2.9(b)の規定に基づき当該調査を管轄しない場合
(規則 45の2;WIPO)

国際調査が行われない場合

国際調査が行われない対象

以下の対象については、国際調査は行われない場合がある。

  1. 科学及び数学の理論
  2. 植物及び動物の品種又は植物及び動物の生産の本質的に生物学的な方法
  3. 事業活動、純粋に精神的な行為の遂行又は遊戯に関する計画、法則又は方
  4. 手術又は治療による人体又は動物の体の処置方法及び人体又は動物の体の
    診断方法
  5. 情報の単なる提示
  6. コンピューター・プログラムのうち国際調査機関が当該プログラムについ
    て先行技術を調査する態勢にある範囲外のもの

<関連法規>

規則 39;日本語
第三十九規則
第十七条(2)(a)(ⅰ)に規定する国際出願の対象
39.1 定義
国際調査機関は、国際出願の対象の全部又は一部が次のいずれかである場合には、当該国際出願の全部又は一部について調査をすることを要しない。
(ⅰ) 科学及び数学の理論
(ⅱ) 植物及び動物の品種又は植物及び動物の生産の本質的に生物学的な方法。ただし、微生物学的方法
及び微生物学的方法による生産物については、この限りでない。
(ⅲ) 事業活動、純粋に精神的な行為の遂行又は遊戯に関する計画、法則又は方法
(ⅳ) 手術又は治療による人体又は動物の体の処置方法及び人体又は動物の体の診断方法
(ⅴ) 情報の単なる提示
(ⅵ) コンピューター・プログラムのうち国際調査機関が当該プログラムについて先行技術を調査する態勢にある範囲外のもの
(規則 39;WIPO)

不明瞭な記載

上記以外に、請求の範囲に記載された発明が不明瞭であったり、矛盾を含んでいるため、有意義な国際調査が出来ないと判断された場合も、国際調査は行われない。

国際調査が行われない場合には、国際調査機関は国際調査報告を作成しない旨の宣言を行う。(宣言のフォーム)[/toggle]

<関連法規>

特許協力条約 17条(2);日本語
第十七条 国際調査機関における手続
(2)(a) 国際調査機関は、国際出願について次のいずれかの事由がある場合には、その旨を宣言するものとし、出願人及び国際事務局に対し国際調査報告を作成しない旨を通知する。
(ⅰ) 当該国際調査機関が、当該国際出願の対象が規則により国際調査機関による調査を要しないとされているものであると認め、かつ、当該国際出願について調査を行わないことを決定したこと。
(ⅱ) 当該国際調査機関が、明細書、請求の範囲又は図面が有意義な調査を行うことができる程度にまで所定の要件を満たしていないと認めたこと。
(特許協力条約 17条(2);WIPO)

追加手数料の支払い

請求の範囲に記載された発明が単一性が無いと判断された場合は、単一性の欠如を出願人に対して通知し(通知フォーム)追加手数料の支払いを求める。

出願人は、指定された期間(1カ月)以内に追加手数料を支払わなければならない。追加手数料が支払われなかった場合には、請求の範囲に最初に記載された発明についてのみ国際調査が行われる。

<関連法規>

規則 40.1;日本語
第四十規則
発明の単一性の欠如(国際調査)
40.1 追加手数料の支払の求め、期間第十七条(3)(a)に規定する追加手数料の支払の求めは、次のとおりとする。
(ⅰ) 国際出願が発明の単一性の要件を満たしているとは認められない理由を明記する。
(ⅱ) 出願人に対し、追加手数料をその求めの日から一箇月以内に支払うよう求め、及び支払うべき手数料の額を表示する。
(ⅲ) 該当する場合には、出願人に対し、40.2(e)に規定する異議申立手数料をその求めの日から一箇月以内に支払うよう求め、及び支払うべき手数料の額を表示する。
(規則 40.1;WIPO)

国際調査機関による要約書の作成

要約書が規則8.1に従っていないと判断された場合は、国際調査機関が要約書を作成して、出願人に送付される

<関連法規>

規則 38.2;日本語
38.2 要約の作成
国際出願に要約が含まれていない場合において出願人に対し要約の補充をすることを求めた旨の受理官庁からの通知を国際調査機関が受領していないとき又は要約が第八規則の規定に従つていないと国際調査機関が認めた場合には、国際調査機関は、自ら要約を作成する。
当該要約は、当該国際出願の国際公開に用いられる言語又は23.1(b)の規定に基づき他の言語による翻訳文が送付されかつ国際調査機関が希望する場合には当該翻訳文の言語で作成する。
要約の欠落又は欠陥
(規則 38.2;WIPO)
 
規則 44.2;日本語
44.2 発明の名称及び要約
国際調査報告には、国際調査機関が出願人の提出した発明の名称若しくは要約を承認する旨を表示し又は第三十七規則若しくは第三十八規則の規定に従つて国際調査機関が作成した発明の名称若しくは要約の本文を添付する。
(規則 44.2;WIPO)

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