米国、欧州、中国、日本、及び国際特許の出願に関する特許法を解説するサイト

最後の拒絶理由通知~日本~

最後の拒絶理由通知とは

最後の拒絶理由通知とは、拒絶理由通知に対する応答時の補正により通知することが必要になった拒絶理由を通知するものをいう。
つまり、前回の拒絶理由通知において進歩性が指摘され、応答時の補正においても進歩性の拒絶が解消しなかった場合には、最後の拒絶理由通知は発行されずに拒絶査定となる。
進歩性の拒絶理由通知は解消したが、前回の補正が特別な技術的特徴を変更する補正であった場合には、最後の拒絶理由通知が発行される。

最後の拒絶理由通知である場合は、拒絶理由通知書に「最後」である旨とその理由が記載される。

最後の拒絶理由通知応答時、及び審判請求と同時に行う補正

特許法第17条の2第4項に加えて、以下を目的とするものでなければならない。

  1. 請求項の削除
  2. 特許請求の範囲の限定的減縮及び独立特許要件
  3. 誤記の訂正
  4. 拒絶理由通知で示された不明瞭な記載の釈明

<関連法規>

特許法第17条の2第5項
(願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面の補正)第十七条の二
5  前二項に規定するもののほか、第一項第一号、第三号及び第四号に掲げる場合(同項第一号に掲げる場合にあつては、拒絶理由通知と併せて第五十条の二の規定による通知を受けた場合に限る。)において特許請求の範囲についてする補正は、次に掲げる事項を目的とするものに限る。
一  第三十六条第五項に規定する請求項の削除
二  特許請求の範囲の減縮(第三十六条第五項の規定により請求項に記載した発明を特定するために必要な事項を限定するものであつて、その補正前の当該請求項に記載された発明とその補正後の当該請求項に記載される発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるものに限る。)
三  誤記の訂正
四  明りようでない記載の釈明(拒絶理由通知に係る拒絶の理由に示す事項についてするものに限る。)
特許法第17条の2第5項

<関連法規>
(審査基準 第Ⅳ節 目的外補正;特許庁)

特許請求の範囲の限定的減縮件

限定的減縮とは、以下の要件を満たす補正をいう。

  1. 特許請求の範囲の減縮
  2. 補正前の請求項に記載された発明の発明特定事項の限定
  3. 補正前と補正後の発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一

特許請求の範囲の減縮のみ認められるため、請求項の記載の部分的な削除等は原則的に認められない。

発明特定事項を限定するとは、たとえば構成要件A+B+Cからなる請求項の構成要件BをB+bに補正し、A+(B+b)+Cとする補正(内的付加)をいう。
構成要件A+B+Cを構成要件A+B+C+Dとするような補正(外的付加)は認められない。

審査基準で示されている限定的減縮の具体例は以下の5つ

  1. 択一的記載の要素を削除する補正
  2. 発明特定事項を直列的に付加する補正
  3. 上位概念から下位概念へ変更する補正
  4. 多数項引用形式請求項の引用請求項を減少させる補正
    例:特許請求の範囲の記載「A機構を有する請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のエアコン装置」を「A機構を有する請求項1又は請求項2に記載のエアコン装置」とする補正。
  5. n項引用形式請求項をn-1以下の請求項に変更する補正
    例:特許請求の範囲の記載「A機構を有する請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のエアコン装置」を「A機構を有する請求項1記載のエアコン装置」と「A機構を有する請求項2記載のエアコン装置」の二つの請求項に変更する補正。
  6. 発明特定事項が択一的なものとして記載された一つの請求項について、その択一的な発明特定事項をそれぞれ限定して複数の請求項に変更する補正

<関連法規>
(審査基準 第Ⅳ部 第4章 目的外補正;特許庁)

独立特許要件

独立特許要件では、以下の条文を満たすか否かが判断される

  1. 新規性・進歩性
    特許法第29条
    (特許の要件)第二十九条
    1 産業上利用することができる発明をした者は、次に掲げる発明を除き、その発明について特許を受けることができる。
    一  特許出願前に日本国内又は外国において公然知られた発明
    二  特許出願前に日本国内又は外国において公然実施をされた発明
    三  特許出願前に日本国内又は外国において、頒布された刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となつた発明
    2  特許出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が前項各号に掲げる発明に基いて容易に発明をすることができたときは、その発明については、同項の規定にかかわらず、特許を受けることができない。
    (特許法第29条)
  2. 拡大先願
    特許法第29条の2
    第二十九条の二
    特許出願に係る発明が当該特許出願の日前の他の特許出願又は実用新案登録出願であつて当該特許出願後に第六十六条第三項の規定により同項各号に掲げる事項を掲載した特許公報(以下「特許掲載公報」という。)の発行若しくは出願公開又は実用新案法 (昭和三十四年法律第百二十三号)第十四条第三項 の規定により同項 各号に掲げる事項を掲載した実用新案公報(以下「実用新案掲載公報」という。)の発行がされたものの願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲若しくは実用新案登録請求の範囲又は図面(第三十六条の二第二項の外国語書面出願にあつては、同条第一項の外国語書面)に記載された発明又は考案(その発明又は考案をした者が当該特許出願に係る発明の発明者と同一の者である場合におけるその発明又は考案を除く。)と同一であるときは、その発明については、前条第一項の規定にかかわらず、特許を受けることができない。
    ただし、当該特許出願の時にその出願人と当該他の特許出願又は実用新案登録出願の出願人とが同一の者であるときは、この限りでない。
    (特許法第29条の2)
  3. 公序良俗違反
    特許法第32条
    (特許を受けることができない発明)第三十二条
    公の秩序、善良の風俗又は公衆の衛生を害するおそれがある発明については、第二十九条の規定にかかわらず、特許を受けることができない。
    (特許法第32条)
  4. 記載不備
    特許法第36条第4項及び第6項1号
    (特許出願)第三十六条
    4  前項第三号の発明の詳細な説明の記載は、次の各号に適合するものでなければならない。
    一  経済産業省令で定めるところにより、その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者がその実施をすることができる程度に明確かつ十分に記載したものであること。
    二  その発明に関連する文献公知発明(第二十九条第一項第三号に掲げる発明をいう。以下この号において同じ。)のうち、特許を受けようとする者が特許出願の時に知つているものがあるときは、その文献公知発明が記載された刊行物の名称その他のその文献公知発明に関する情報の所在を記載したものであること。6  第二項の特許請求の範囲の記載は、次の各号に適合するものでなければならない。
    一  特許を受けようとする発明が発明の詳細な説明に記載したものであること。
    (特許法第36条第4項及び第6項1号)
  5. 先願
    特許法第39条1から4項
    (先願)第三十九条
    1 同一の発明について異なつた日に二以上の特許出願があつたときは、最先の特許出願人のみがその発明について特許を受けることができる。
    2  同一の発明について同日に二以上の特許出願があつたときは、特許出願人の協議により定めた一の特許出願人のみがその発明について特許を受けることができる。協議が成立せず、又は協議をすることができないときは、いずれも、その発明について特許を受けることができない。
    3  特許出願に係る発明と実用新案登録出願に係る考案とが同一である場合において、その特許出願及び実用新案登録出願が異なつた日にされたものであるときは、特許出願人は、実用新案登録出願人より先に出願をした場合にのみその発明について特許を受けることができる。
    4  特許出願に係る発明と実用新案登録出願に係る考案とが同一である場合(第四十六条の二第一項の規定による実用新案登録に基づく特許出願(第四十四条第二項(第四十六条第五項において準用する場合を含む。)の規定により当該特許出願の時にしたものとみなされるものを含む。)に係る発明とその実用新案登録に係る考案とが同一である場合を除く。)において、その特許出願及び実用新案登録出願が同日にされたものであるときは、出願人の協議により定めた一の出願人のみが特許又は実用新案登録を受けることができる。協議が成立せず、又は協議をすることができないときは、特許出願人は、その発明について特許を受けることができない。
    (特許法第39条1から4項)

<関連法規>
(審査基準 第Ⅳ部 第4章 目的外補正;特許庁)

PAGETOP
Copyright © gaikoku-pat.com All Rights Reserved.