米国、欧州、中国、日本、及び国際特許の出願に関する特許法を解説するサイト

拒絶理由通知~日本~

拒絶理由通知とは

出願が、実体審査の要件を満たしていない場合には、拒絶理由通知が発行される。具体的には、主に以下の要件を満たさない場合には、拒絶理由通知が発行される。

  1. 補正による新規事項の追加
    特許法第17条の2第3項
    (願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面の補正)第十七条の二
    3  第一項の規定により明細書、特許請求の範囲又は図面について補正をするときは、誤訳訂正書を提出してする場合を除き、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面(第三十六条の二第二項の外国語書面出願にあつては、同条第六項の規定により明細書、特許請求の範囲及び図面とみなされた同条第二項に規定する外国語書面の翻訳文(誤訳訂正書を提出して明細書、特許請求の範囲又は図面について補正をした場合にあつては、翻訳文又は当該補正後の明細書、特許請求の範囲若しくは図面)。第三十四条の二第一項及び第三十四条の三第一項において同じ。)に記載した事項の範囲内においてしなければならない。
    (特許法第17条の2第3項)
  2. 拒絶理由通知に対する補正が特別な技術的特徴を変更する補正
    特許法第17条の2第4項
    (願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面の補正)第十七条の二
    4  前項に規定するもののほか、第一項各号に掲げる場合において特許請求の範囲について補正をするときは、その補正前に受けた拒絶理由通知において特許をすることができないものか否かについての判断が示された発明と、その補正後の特許請求の範囲に記載される事項により特定される発明とが、第三十七条の発明の単一性の要件を満たす一群の発明に該当するものとなるようにしなければならない。
    (特許法第17条の2第4項)
  3. 新規性、進歩性、産業上の利用可能性が無い
    特許法第29条
    (特許の要件)第二十九条
    1 産業上利用することができる発明をした者は、次に掲げる発明を除き、その発明について特許を受けることができる。
    一  特許出願前に日本国内又は外国において公然知られた発明
    二  特許出願前に日本国内又は外国において公然実施をされた発明
    三  特許出願前に日本国内又は外国において、頒布された刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となつた発明
    2  特許出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が前項各号に掲げる発明に基いて容易に発明をすることができたときは、その発明については、同項の規定にかかわらず、特許を受けることができない。
    (特許法第29条)
  4. 出願時において、未公開且つ先願の引例の明細書等に記載された発明
    特許法第29条の2
    第二十九条の二
    特許出願に係る発明が当該特許出願の日前の他の特許出願又は実用新案登録出願であつて当該特許出願後に第六十六条第三項の規定により同項各号に掲げる事項を掲載した特許公報(以下「特許掲載公報」という。)の発行若しくは出願公開又は実用新案法 (昭和三十四年法律第百二十三号)第十四条第三項 の規定により同項 各号に掲げる事項を掲載した実用新案公報(以下「実用新案掲載公報」という。)の発行がされたものの願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲若しくは実用新案登録請求の範囲又は図面(第三十六条の二第二項の外国語書面出願にあつては、同条第一項の外国語書面)に記載された発明又は考案(その発明又は考案をした者が当該特許出願に係る発明の発明者と同一の者である場合におけるその発明又は考案を除く。)と同一であるときは、その発明については、前条第一項の規定にかかわらず、特許を受けることができない。ただし、当該特許出願の時にその出願人と当該他の特許出願又は実用新案登録出願の出願人とが同一の者であるときは、この限りでない。
    (特許法第29条の2)
  5. 最先の出願でない
    特許法第39条
    (先願)第三十九条
    1 同一の発明について異なつた日に二以上の特許出願があつたときは、最先の特許出願人のみがその発明について特許を受けることができる。
    2  同一の発明について同日に二以上の特許出願があつたときは、特許出願人の協議により定めた一の特許出願人のみがその発明について特許を受けることができる。協議が成立せず、又は協議をすることができないときは、いずれも、その発明について特許を受けることができない。
    3  特許出願に係る発明と実用新案登録出願に係る考案とが同一である場合において、その特許出願及び実用新案登録出願が異なつた日にされたものであるときは、特許出願人は、実用新案登録出願人より先に出願をした場合にのみその発明について特許を受けることができる。
    4  特許出願に係る発明と実用新案登録出願に係る考案とが同一である場合(第四十六条の二第一項の規定による実用新案登録に基づく特許出願(第四十四条第二項(第四十六条第五項において準用する場合を含む。)の規定により当該特許出願の時にしたものとみなされるものを含む。)に係る発明とその実用新案登録に係る考案とが同一である場合を除く。)において、その特許出願及び実用新案登録出願が同日にされたものであるときは、出願人の協議により定めた一の出願人のみが特許又は実用新案登録を受けることができる。協議が成立せず、又は協議をすることができないときは、特許出願人は、その発明について特許を受けることができない。
    5  特許出願若しくは実用新案登録出願が放棄され、取り下げられ、若しくは却下されたとき、又は特許出願について拒絶をすべき旨の査定若しくは審決が確定したときは、その特許出願又は実用新案登録出願は、第一項から前項までの規定の適用については、初めからなかつたものとみなす。ただし、その特許出願について第二項後段又は前項後段の規定に該当することにより拒絶をすべき旨の査定又は審決が確定したときは、この限りでない。
    6  特許庁長官は、第二項又は第四項の場合は、相当の期間を指定して、第二項又は第四項の協議をしてその結果を届け出るべき旨を出願人に命じなければならない。
    7  特許庁長官は、前項の規定により指定した期間内に同項の規定による届出がないときは、第二項又は第四項の協議が成立しなかつたものとみなすことができる。
    (特許法第39条)
  6. 明細書等の記載が不明瞭である
    特許法第36条第4項、6項
    (特許出願)第三十六条
    4  前項第三号の発明の詳細な説明の記載は、次の各号に適合するものでなければならない。
    一  経済産業省令で定めるところにより、その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者がその実施をすることができる程度に明確かつ十分に記載したものであること。
    二  その発明に関連する文献公知発明(第二十九条第一項第三号に掲げる発明をいう。以下この号において同じ。)のうち、特許を受けようとする者が特許出願の時に知つているものがあるときは、その文献公知発明が記載された刊行物の名称その他のその文献公知発明に関する情報の所在を記載したものであること。6  第二項の特許請求の範囲の記載は、次の各号に適合するものでなければならない。
    一  特許を受けようとする発明が発明の詳細な説明に記載したものであること。
    二  特許を受けようとする発明が明確であること。
    三  請求項ごとの記載が簡潔であること。
    四  その他経済産業省令で定めるところにより記載されていること。
    (特許法第36条第4項、6項)

拒絶理由通知に応答しなかった場合には、出願は取り下げたものとみなされる。

<関連法規>
(審査ハンドブック 63拒絶をすべき特許出願;特許庁)
(審査ハンドブック 拒絶理由通知フォーム;特許庁)

特許法第49条、第50条
(拒絶の査定)
第四十九条  審査官は、特許出願が次の各号のいずれかに該当するときは、その特許出願について拒絶をすべき旨の査定をしなければならない。
一  その特許出願の願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面についてした補正が第十七条の二第三項又は第四項に規定する要件を満たしていないとき。
二  その特許出願に係る発明が第二十五条、第二十九条、第二十九条の二、第三十二条、第三十八条又は第三十九条第一項から第四項までの規定により特許をすることができないものであるとき。
三  その特許出願に係る発明が条約の規定により特許をすることができないものであるとき。
四  その特許出願が第三十六条第四項第一号若しくは第六項又は第三十七条に規定する要件を満たしていないとき。
五  前条の規定による通知をした場合であつて、その特許出願が明細書についての補正又は意見書の提出によつてもなお第三十六条第四項第二号に規定する要件を満たすこととならないとき。
六  その特許出願が外国語書面出願である場合において、当該特許出願の願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項が外国語書面に記載した事項の範囲内にないとき。
七  その特許出願人がその発明について特許を受ける権利を有していないとき。
(拒絶理由の通知)第五十条
審査官は、拒絶をすべき旨の査定をしようとするときは、特許出願人に対し、拒絶の理由を通知し、相当の期間を指定して、意見書を提出する機会を与えなければならない。ただし、第十七条の二第一項第一号又は第三号に掲げる場合(同項第一号に掲げる場合にあつては、拒絶の理由の通知と併せて次条の規定による通知をした場合に限る。)において、第五十三条第一項の規定による却下の決定をするときは、この限りでない。
(特許法第49条、第50条)

応答期間

出願人が国内居住者の場合

出願人は、拒絶理由通知の発行から60日以内に応答しなければならない。
出願人は、拒絶理由通知書で示された引用文献に記載された発明との対比実験を行うとの理由により、1回限り応答期間の1カ月延長を請求することができる。

期間延長請求書フォーム(審査時)
期間延長請求書フォーム(審判時)

出願人が在外者の場合

出願人は、拒絶理由通知の発行から60日以内に応答しなければならない。
出願人は、拒絶理由通知書や意見書・手続補正書等の手続書類の翻訳を行うとの理由により、3回まで応答期間の1カ月延長を請求することができる。
期間延長の請求は、応答期間内に行わなければならない。

詳細は、特許庁HPの期間延長の運用を参照のこと。

期間延長請求書フォーム(審査時)
期間延長請求書フォーム(審判時)

PAGETOP
Copyright © gaikoku-pat.com All Rights Reserved.