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クレーム~中国~

クレームの記載方法

クレームの構成

クレーム中には、対応する図面の参照番号を括弧書きで付加することができる。この参照番号に基づき、クレームを限定的に解釈してはならない。

クレームは、前提部分と、特徴部分とに分けて記載しなければならない。

  1. 前提部分・・保護求める発明が最も近い既存技術と共有する必要な技術的特徴
  2. 特徴部分・・発明又は実用新案が最も近い既存技術と異なる技術的特徴。
    「・・・を特徴とする」又はこれに類似する用語を用いる。

<関連法規>

細則19~21;日本語
第十九条 特許請求の範囲には発明又は実用新案の技術的特徴を記載しなければならない。
特許請求の範囲に複数のクレームがある場合は、アラビア数字で番号を振らなければならない。
特許請求の範囲中で使用する科学技術用語は明細書中に使用する科学技術用語と一致しなければならず、化学式又は数式が有ってもよいが、挿絵が有ってはならない。絶対に必要な場合を除き、「明細書・・・の部分に記載されたように」或いは「図面・・・に示すように」などの表現を使用してはならない。
クレーム中の技術的特徴は明細書添付図面中の対応する記号を引用することができ、当該記号は、クレームの理解に資する為に対応する技術的特徴の後の括弧に置かなければならない。添付図面の記号はクレームへの制限と解してはならない。
第二十条 特許請求の範囲は独立クレームを有しなければならず、従属クレームを有してもよい。独立クレームは発明又は実用新案の技術方案を全体的に反映し、技術的課題を解決する必要な技術的特徴を記載しなければならない。従属クレームは付加的な技術的特徴を用い、引用するクレームを更に限定しなければならない。
第二十一条 発明又は実用新案の独立クレームは前提部分と特徴部分を備え、以下の規定に基づいて作成しなければならない。
(1)前提部分:保護を請求する発明又は実用新案技術案のテーマの名称及び発明又は実用新案主題が最も近い既存技術と共有する必要な技術的特徴を明記する。
(2)特徴部分:「・・・を特徴とする」又はこれに類似する用語を用い、発明又は実用新案が最も近い既存技術と異なる技術的特徴を明記する。これらの特徴は前提部分に明記する特徴と合わせて、発明又は実用新案が保護を求める範囲を限定する。
発明又は実用新案の性質が前項の方式によって表現するには適さない場合、独立クレームはその他の方式で作成することが出来る。
一つの発明又は実用新案には一つの独立クレームしかなければならず、かつ同一する発明又は実用新案の従属クレームの前に記載するものとする。(細則19~21;JPO)
 
審査指南第2部 3.3.1 独立請求項の記載に関する規定;日本語
3.3.1 独立請求項の記載に関する規定
専利法実施細則 21 条 1 項の規定によると、発明又は実用新案の独立請求項は前提部分と特徴部分を含み、以下の規定に従って書かなければならない。
(1) 前提部分:保護を求めている発明又は実用新案の技術方案の主題名、及び発明又は実用新案の主題と最も近似した現有技術との共通した必要な技術的特徴を明記する。
(2) 特徴部分:「…を特徴とする」又は類似した文言を使って、発明又は実用新案が最も近似した現有技術と区別される技術的特徴を明記する。これらの特徴と前提部分で明記した特徴とともに、発明又は実用新案で求める保護範囲を限定する。
専利法実施細則 21 条 3 項では、発明又は実用新案が 1 つだけの独立請求項を有するものとし、それを同一の発明又は実用新案の従属請求項の前に記すことを規定している。この規定は権利要求書を全体としてより明確、簡潔にすることがその本意である。
独立請求項の前提部分における、発明又は実用新案の主題と最も近似した現有技術との共通した必要な技術的特徴とは、保護を請求する発明又は実用新案の技術方案と最も近似した 1 つの現有技術書類との共通した技術的特徴を指す。適当な場合に、発明又は実用新案で保護を請求する主題と最も近似した現有技術書類を 1 つ選定して、「分界」を行うものとする。
独立請求項の前提部分において、保護を請求する発明又は実用新案の技術方案の主題名を明記する以外、発明又は実用新案と緊密な関係を持ち、共通している必要な技術的特徴のみを記載する必要がある。例えば、カメラ関連の発明において、当該発明の実体はカメラのカーテンシャッターの改善である場合、その請求項の前提部分において、「カーテンシャッターを含むカメラ…」だけを書けば良いものとし、その他の共通的な特徴は、例えばミラーとファインダーなどのカメラの部品を前提部分に書かなくても良い。独立請求項の特徴部分には、発明又は実用新案の必要な技術的特徴のうちに、最も近似した現有技術と異なった区別される技術的特徴を記載しなければならない。これらの区別される技術的特徴と前提部分の技術的特徴とともに、発明又は実用新案の全ての必要な技術的特徴を構成し、独立請求項で求める保護範囲を限定するものである。
独立請求項が 2 部分に分けて書かれるのは、独立請求項の全ての技術的特徴のうち、どれが発明又は実用新案と最も近似した現有技術との共通した技術的特徴であるか、どれが発明又は実用新案が最も近似した現有技術と区別される特徴であるかを公衆により明確に見せることが目的である。
専利法実施細則 21 条 2 項の規定によると、発明又は実用新案の性質が前述の方式により書くことに適さない場合に、独立請求項は前提部分と特徴部分を分けなくても良い。例えば以下の場合はそれに当たる。
(1) パイオニア発明;
(2) 状態が同等な既知の技術を組み合わせることにより成された発明で、その発明の実体が組み合わせそのものにある;
(3) 既知の方法の改善である発明の場合、その改善は、ある物質或いは材料を省いたり、又はある物質や材料で別の物質や材料を取り替えたり、或いはある手順を省いたものである
(4) 既知の発明の改善は、システムの中の部品の交換又はその相互関係上の変化である。
(審査指南第2部 3.3.1 独立請求項の記載に関する規定;JPO)
【引用】特許庁 外国産業財産権制度情報

従属クレーム

従属クレームは、引用部分と限定部分とにより構成される。
従属クレームはその前のクレームしか引用できない。

2つ以上のクレームを引用する多項従属クレームは、択一的にその前のクレームを引用し、かつ他の多項従属クレームの基礎としてはならない。
つまり、多数項従属クレームに従属する多数項従属クレームは認められない。

  1. 引用部分・・引用するクレームの番号とテーマの名称を明記する。
  2. 限定部分・・発明の付加的な技術的特徴を明記する。

<関連法規>

審査指南第2部 3.1.2.独立請求項と従属請求項;日本語
3.1.2 独立請求項と従属請求項
独立請求項は発明又は実用新案の技術方案を全体的に反映し、技術的問題を解決するために必要な技術的特徴を記載しなければならない。
必要な技術的特徴とは、発明又は実用新案でその技術的問題を解決するには不可欠な技術的特徴をいい、その総和は、発明又は実用新案の技術方案を構成するに足るものであって、背景技術におけるその他の技術方案から区別させるようにしている。
ある技術的特徴が必要な技術的特徴であるかどうかを判断するには、解決しようとする技術的問題を基に、説明書でに記述された全体の内容を考慮しなければならない。単に、実施例における技術的特徴を必要な技術的特徴としてそのまま認定してはならない。
ある専利出願の権利要求書において、独立請求項により限定される 1 つの発明又は実用新案の保護範囲が最も広い。
もし、ある請求項は、同一種類の別な請求項における全ての技術的特徴を含んでおり、かつ当該別な請求項の技術方案をさらに限定しているならば、当該請求項は従属請求項になる。従属請求項は、付加的な技術的特徴を用いて、引用された請求項をさらに限定しているので、その保護範囲はその引用された請求項の保護範囲内に含まれるものである。
従属請求項の付加的な技術的特徴は、引用された請求項の技術的特徴についてさらに限定している技術的特徴でも良いし、追加される技術的特徴でも良い。
1 件の専利出願の権利要求書において、?なくとも 1 つの独立請求項を有しなければならない。2 つはたは 2 つ以上の独立請求項がある場合、一番先頭に書いてある独立請求項は第一独立請求項、その他の独立請求項は並列独立請求項と呼ばれる。審査官が注意しなければならないのは、並列独立請求項も、前の独立請求項を引用する場合がある。例えば、「請求項 1 における方法を実施する装置で、…」、「請求項 1 における製品を製造する方法で、…」、「請求項 1 における部品を含む設備で、…」、「請求項 1 におけるコンセントに対応するプラグで、…」など。
このようなその他の独立請求項を引用する請求項は並列独立請求項であり、従属請求項と見なされてはならない。こうした別の請求項を引用している独立請求項の保護範囲を確定する時に、引用された請求項の全ての特徴を配慮しなければならないが、その実際の限定役目は、最終的に当該独立請求項の保護主題に与えた影響において具現しなければならない。状況によっては、形式上の従属請求項(つまり、それに従属請求項の引用部分
(審査指南第2部 3.1.2.独立請求項と従属請求項;JPO)
【引用】特許庁 外国産業財産権制度情報

クレーム作成時の留意事項

多数項従属クレーム

従属クレームはその前のクレームしか引用できない。2つ以上のクレームを引用する多項従属クレームは、択一的にその前のクレームを引用し、かつ他の多項従属クレームの基礎としてはならない。

<関連法規>

審査指南第1部 7.4項;日本語
7.4 権利要求書
方式審査において、権利要求書が明らかに専利法 26 条 4 項及び専利法実施細則19 条~22 条の規定に合致するかについて審査する。専利法 26 条 4 項に係わる審査は本指南第二部分第二章第 3.2 節の規定を参照する。
権利要求書の審査は以下の内容を含む。
(1) 権利要求書は説明書を根拠とし、専利保護の請求範囲を明確、簡潔に限定しなければならない。
(2) 権利要求書には実用新案の技術的特徴を記載しなければならない。
(3) 独立請求項は全体から実用新案の技術方案を反映しなければならない。
その他の方法により記述しなければならない場合を除いて、独立請求項は前提部49分と特徴部分を含み、前提部分は保護を求めている実用新案の技術方案の主題名、及び実用新案の主題と最も近似した先行技術との共通した必要な技術的特徴を明記し、特徴部分では、「…を特徴とする」又は類似した文言を使って、実用新案が最も近似した先行技術と区別される技術的特徴を明記しなければならない。
(4) 従属請求項は付加的な技術的特徴を使って、引用された請求項をさらに限定しなければならない。その内容には引用部分と限定部分を含み、引用部分では引用された請求項の番号及び独立請求項と一致する主題名称を明記し、限定部分では実用新案の付加的な技術的特徴を明記しなければならない。
(5) 1 件の実用新案には 1 つの独立請求項のみ有するものとし、それを同一の実用新案の従属請求項の前に記載しなければならない。
(6) 請求項に記載しているが、説明書には記載していない内容は、説明書に補入しなければならない。
(7) 請求項には技術的効果を生じない特徴を含めてはならない。
(8) 請求項にはグラフで示される技術的特徴を含めてはならない。
(9) 請求項には機能又は効果的特徴を使って実用新案を限定することをなるべく回避すべきである。特徴部分は単に実用新案の機能を記述してはならない。
ある技術的特徴が構造的特徴により限定できない場合、若しくは、技術的特徴について、構造的特徴よりも、機能又は効果的特徴により限定されたほうが適切であり、そして当該機能又は効果は、説明書において充分に説明した場合に限って、機能又は効果的特徴により実用新案を限定することが許容される。
(10) 請求項に技術的概念が不明瞭、又は意味が不確かな用語を使ってはならない。
請求項には技術方案の内容と関わらない用語を使ってはならない。例えば「当該専利の生産、販売権の保護を請求する」など。商業的宣伝用語及び他人若しくは他人の製品を貶すような言葉も使ってはならない。
さらに、権利要求書は以下に挙げられる形式要求に合致しなければならない。
(1)各請求項にはその最後のみに句点を付けることが許容される。1つの請求項は、1つの段落を用いて記述して良いとする。1つの段落の中で、行や段を分けて記載しても良いとする。改行、改段箇所には、セミコロン又はコンマのみが使える。必要な際、改行、改段の前に配列順番を示す番号を付けて良いとする。
(2)権利要求書に表題を付けてはならない。
(3)権利要求書に複数の請求項がある場合、アラビア数字順に番号を付けなければならない。
(4)請求項には化学式又は数学式があってもいいが、イラストを使ってはならない。通常は、表も使ってはならない。絶対に必要な場合を除いて、「説明書…部分で述べたように…」、又は「図面…で示したように」などの文言を使ってはならない。
(5)請求項に記載された技術方案を理解することに資するため、請求項の技術的特徴は説明書の添付図面にある対応した標記を引用して良いとする。但し、これらの標記を括弧に入れ、対応した技術的特徴の後に記さなければならない。請求項で使われる添付図面の標記は説明書の添付図面における標記と一致しなければならない。
(6)従属権利請求は前の請求項しか引用することができない。2 つ以上の請求項を引用する多項従属請求項は択一の方法でしか前にある請求項を引用することができず、そして、別の多項従属請求項に引用される基礎としてはならない。つまり、その後の多項従属請求項は前の多項従属請求項を引用してはならない。
(7)権利要求書はアラビア数字順に頁番号を作成しなければならない。
(審査指南第1部 7.4項;JPO)
【引用】特許庁 外国産業財産権制度情報

権利要求書のサポート

権利要求書は、その内容が明細書に記載されていなければならない。また、明細書に開示された範囲を超えて記載してはならない。

<サポートが無い場合の具体例>
「高周波電気エネルギーを用いて物質に影響を与える方法」という請求項について、明細書では「高周波電気エネルギーを用いて気体を除塵する」という一つの実施例しか記載されておらず、高周波電気エネルギーがその他の物質に影響を及ぼす方法については説明されていない場合は、明細書にサポートが無いと判断される。

<関連法規>

審査指南第2部 3.2.1.説明書を根拠とする場合;日本語
3.2.1 説明書を根拠とする場合
権利要求書は説明書を根処にしなければならないとは、権利要求書が説明書にサポートされなければならないことを指す。権利要求書の各請求項が保護を要求する技術方案は、当該技術分野に属する技術者が説明書に十分に開示された内容から得られ、又は概括して得られる技術方案でなければならず、かつ説明書に開示された範囲を超えてはならない。
請求項は、通常は説明書に記載された一又は複数の実施形態又は実施例を概括してなるものである。請求項の概括は、説明書に開示された範囲を超えてはならない。もし所属技術分野に属する技術者が説明書に記載されている実施形態のすべての同等な代替方式又は明らかな変形方式がすべて同一の性能又は用途を具備することを合理的に予測できる場合は、請求項の保護範囲をそのすべての同等な代替方式又は明らかな変形方式を含むよう概括することを出願人に許すべきである。請求項の概括が適切であるか否かについて、審査官はそれに関連する現有技術を参照して判断を行わなければならない。パイオニア発明については、改良発明よりも広い概括範囲が許される。
上位概念で概括され、又は並列選択方式で概括された請求項については、このような概括化が説明書にサポートされているか否かを審査しなければならない。請求項の概括が、出願人が推測した内容を含んでおり、その効果をあらかじめ確定し、又は評価することが困難であるときは、このような概括は説明書に開示された範囲を超えていると認めなければならない。請求項の概括によって、所属技術分野に属する技術者が、その上位概括又は並列概括に包含される一又は複数の下位概念又は選択方式では、専利発明又は実用新案が解決しようとする技術的課題を解決して同様な効果を得ることができないと疑う理由を有するときは、その請求項は説明書にサポートされていないと認定されなければならない。この場合、審査官は専利法第 26 条第4項の規定に基づいて、請求項が説明書にサポートされていないとの理由で出願人に請求項を補正するように要求する。
例えば、「高周波電気エネルギーを用いて物質に影響を与える方法」という概括が比較的広い請求項について、説明書には、「高周波電気エネルギーを用いて気体を除塵する」という一つの実施例しか記載されておらず、高周波電気エネルギーがその他の物質に影響を及ぼす方法については説明されていない場合、また所属技術分野に属する技術者も高周波電気エネルギーがその他の物質に影響を与える場合の効果をあらかじめ確定し、又は評価することが困難であるときは、この請求項は説明書にサポートされていないと認定される。
また他の例挙げると、「冷凍時間及び冷凍程度を制御することで植物の種子を処理する方法」という概括が比較的広い請求項について、説明書には一種類の植物種子の処理に適用する方法しか記載されておらず、その他の種類の植物種子の処理方法には言及しておらず、かつ園芸技術者でもその他の種類の植物種子を処理する場合の効果をあらかじめ確定し、又は評価することが困難であるときは、この請求項も説明書にサポートされていないと認定される。但し、説明書にさらにこの種類の植物種子とその他の植物種子との一般的関係が指摘されており、又は十分に多くの実施例が記載されていて、園芸技術者がこの方法をどのように利用して植物種子を処理するかが分かるように記載してある場合は、この請求項は説明書にサポートされていると認められる。
概括が比較的広く、全種類の製品又は全種類の機械に関連する請求項については、説明書に良好なサポートがあり、かつ専利発明又は実用新案が請求項の範囲内で実施できないと疑う理由がなければ、たとえこの請求項の範囲が比較的広くても受け入れられる。但し、説明書に開示された情報が不十分であり、所属技術分野に属する技術者が通常の実験方法又は分析方法によっても説明書に記載された内容を請求項に記載された保護範囲まで拡大するには不十分であるときは、審査官は出願人に、所属技術分野に属する技術者が説明書に記載された情報に基づいて容易に専利発明又は実用新案を請求項の保護範囲まで拡張できることを説明するように要求しなければならない。さもないと、出願人に請求項を限定するよう要求しなければならない。例えば、「合成樹脂成型物を処理することでその性質を変える方法」という請求項について、説明書では単に熱可塑性樹脂の実施例しか言及されておらず、かつ出願人が当該方法が熱硬化性樹脂にも適用できることを証明できないときは、出願人は請求項を熱可塑性樹脂のみに限定しなければならない。
通常、製品の請求項では、機能的或いは効果的特徴を用いて発明を限定することはなるべく回避すべきである。ある技術的特徴が構造的特徴によっても限定できない、又は技術的特徴が構造的特徴によって限定するよりも、機能的或いは効果的特徴を用いて限定するほうがより適切であり、かつ該機能或いは効果は説明書に定めた実験或いは操作或いは所属技術分野の常用手段により直接的かつ肯定的に検証できる場合に限り、機能的或いは効果的特徴を用いて発明を限定することは許され得る。
請求項に含まれる機能的限定の技術的特徴は、記載された機能を実現できるすべての実施形態をカバーしていると理解すべきである。機能的限定の特徴を含める請求項に対して、該機能的限定が説明書にサポートされているかを審査しなければならない。請求項に限定された機能は、説明書の実施例に記載された特定の形態で完成されたもので、かつ所属技術分野の技術者は説明書に記載していないほかの代替的形態ではこの機能を完成できるかについて不明である、若しくは所属技術分野の技術者が該機能的限定に含まれる一種或いは数種の形態でも、専利発明或いは実用新案が解決しようとする技術的課題を解決できず、同等な技術的効果を達成できないと疑う理由を有するときは、請求項には前記ほかの代替的形態或いは専利発明や実用新案の技術的課題を解決できない形態をカバーする機能的限定を用いてはならない。
また、説明書には曖昧な方式だけでその他代替的形態も適用でき得ると記載しており、所属技術分野の技術者にとって、これら代替的形態が何なのか、又はどのようにこれら代替的形態を応用すればよいかが不明瞭である場合は、請求項のなかの機能的限定も許されない。なお、単なる機能的請求項は説明書にサポートされないため、これも許されない。
請求項が説明書にサポートされているか否かを判断する際、説明書の全内容を考慮しなければならず、具体的な実施形態の部分の内容にとどまるべきではない。
説明書のほかの部分にも具体的な実施形態又は実施例に関する内容が記載されていて、説明書の全内容から見ると、請求項の概括が適切であることが分る場合、請求項は説明書にサポートされていると認めるべきである。
独立請求項と従属請求項或いは異なる種類の請求項を含める権利要求書に対して、各請求項のいずれが、説明書にサポートされているかを逐一に判断する必要がある。独立請求項が説明書にサポートされていても、従属請求項も必然的にサポートされるということを意味するわけではない。方法請求項が説明書にサポートされていても、製品請求項も必然的にサポートされるということを意味するわけでもない。
請求項に係る技術方案の一部又はすべての内容が原出願の権利要求書に既に記載されているが、説明書には記載されていないときは、出願人がそれを説明書に補充することは許される。但し、説明書中に請求項の技術方案と一致する記載があることは、請求項が必然的に説明書にサポートされるということを意味するわけではない。所属技術分野の技術者が説明書に十分に開示された内容から当該請求項が保護を求めている技術方案を得られ、又は概括して得られる場合に限り、当該技術案を記載した請求項は説明書にサポートされていると認められる。
(審査指南第2部 3.2.1.説明書を根拠とする場合;JPO)
【引用】特許庁 外国産業財産権制度情報

明確性

クレームは、明確に記載しなければならない。特に、「厚い」、「薄い」、「強い」、「弱い」、「高温」、「高圧」、「広い範囲」のような表現は曖昧になるので、避けるべきである。また、「例えば」、「望ましい」、「特に」、「必要な際」のような表現は、保護範囲を不明瞭にする恐れがあるので用いない。

<関連法規>

審査指南第2部 3.2.2明確性;日本語
3.2.2 明確性
権利要求書が明確であることは、発明又は実用新案で保護を請求する範囲を確定する上で極めて重要なことである。
権利要求書が明確でなければならないというのは、まずは各請求項が明確であること、そして権利要求書を構成する全ての請求項も全体として明確でなければならないことを言う。
まずは、各請求項の種類が明確でなければならない。請求項の主題名は当該請求項の種類が製品請求項であるか、方法請求項であるかを明確に示さなければならない。例えば、「…技術」のように、不確かな主題名を使ってはならない。或いは、1 つの請求項の主題名に、製品及び方法の両方を含む場合、例えば、「…製品及びその製造方法」など。
一方、請求項の主題名は請求項の技術的内容と対応していなければならない。
製品請求項は製品発明又は実用新案に適用するものであり、通常は製品の構造的特徴により記述しなければならない。特別な場合に、製品請求項の 1 つ又は複数の技術的特徴は構造的特徴によっては明確に特徴付けることができない時は、物理或いは化学的パラメータを介して特徴づけることを許容する。構造的特徴によってもパラメータ特徴によっても明確に特徴づけることができない場合には、方法的特徴を介して特徴づけることを許容する。パラメータを使って特徴づける場合に、使われるパラメータは、属する技術分野の技術者が説明書での教示に基くか、又は属する技術分野の通常手段により、明確かつ確実に確定できるものでなければならない。
方法請求項は方法発明に適用するものであり、通常は技術プロセス、操作条件、手順又は工程などの技術的特徴を以って記述しなければならない。
用途請求項は方法請求項に属する。但し、請求項の作成時の文言上で用途請求項と製品請求項を区別するように注意を払うべきである。例えば、「化合物 X を殺虫剤とする」、或いは「化合物 X を殺虫剤とした応用」は、用途請求項であって、方法請求項に属するのに対して、「化合物 X で作られる殺虫剤」、或いは「化合物X を含む殺虫剤」は、用途請求項でなく、製品請求項になる。
次に、各請求項により確定される保護範囲は明確でなければならない。請求項の保護範囲はそれに使われる文言の意味に基づき理解するべきである。請求項に使われた文言は一般的に、関連する技術分野において通常に備わる意味として理解しなければならない。特定の場合において、もし説明書には、ある単語に特定な意味を備えることを明記し、そして当該単語を使った請求項の保護範囲も、説明書における当該単語の説明により充分かつ明確に限定されているならば、これも許容する。但しその場合には、出願人にもなるべく請求項を補正するように求めることにより、請求項の記述に基くだけで、その意味が分かるようにすべきである。
請求項には、「厚い」、「薄い」、「強い」、「弱い」、「高温」、「高圧」、「広い範囲」など意味の不確かな用語を使ってはならないが、特定な技術分野においてこの類の用語が公然知られた確かな意味を有する場合は除く。例えば、増幅機の「高周波」など。公然知られた意味を有しない用語については、できれば、説明書に記載された、より精確な文言で前述の不確かな用語を替えるべきである。
請求項には「例えば」、「望ましい」、「特に」、「必要な際」などのような文言があってはならない。この類の用語は 1 つの請求項において、異なる保護範囲を限定することとなり、保護範囲を不明瞭にする恐れがある。請求項において、ある上位概念の後に前述の用語に導かれた下位概念が付いている場合、出願人に請求項を補正するよう要求するものとし、当該請求項に両者のうちの 1 つを保留するか、或いは両者を 2 つの請求項においてそれぞれ限定することを許容する。
一般的に、「約」、「近く」、「等」、「或いは類似物」などの類似した用語は請求項の範囲を不確かにするため、請求項において使ってはならない。請求項にこの類の用語が現れる場合、審査官は具体的な状況に基づき、当該用語を使うことにより、請求項を不確かにするかどうかを判断しなければならず、しないと判定する場合にはこれを許容する。
添付図面の表記又は化学式及び数学式に使われる括弧を除き、請求項が不明瞭とならないように、請求項にはなるべく括弧を使うのを避けるべきである。例えば、「(コンクリート)型にて作ったレンガ」など。但し、通常では受け入れられる意味を持つ括弧は許容する。例えば「(メチル基)アクリル酸エステル」、「10%~60%(重量)の A を含む」など最後に、権利要求書を構成する全ての請求項は全体として明確でなければならないというのは、請求項の間の引用関係が明瞭でなければならないことを言う。(本章第 3.1.2 節と 3.3.2 節を参照する)
(審査指南第2部 3.2.2明確性;JPO)
【引用】特許庁 外国産業財産権制度情報

簡潔性

クレームは、簡潔に記載しなければならない。1件の出願で範囲が実質的に同一なクレームが2つ以上ある場合には、本要件を満たさない。

<関連法規>

審査指南第2部 3.2.2簡潔性;日本語
3.2.3 簡潔性
権利要求書は簡潔でなければならない。その 1 は、各請求項が簡潔であること、その 2 は、権利要求書を構成する全ての請求項は全体として簡潔でなければならないことを言う。例えば、1 件の専利出願には保護範囲が実体的に同一な同一類型請求項は 2 つ又は 2 つ以上あってはならないなど。
請求項の数が合理的でなければならない。権利要求書において、合理的な数の、発明又は実用新案の最良と思われる技術方案を限定する従属請求項を許容する。
請求項の記述は簡潔でなければならない。技術的特徴の記載を除き、必要でない原因や理由について説明をしてはならず、商業的宣伝用語を使ってもならない。
請求項同士で同様な内容について必要以上に重複することとならないように、できれば、なるべく前の請求項を引用して請求項を書くべきである。
(審査指南第2部 3.2.2簡潔性;JPO)
【引用】特許庁 外国産業財産権制度情報

プログラムクレーム

コンピュータプログラムのクレームが認められるためには、技術的特徴が含まれてなければならない。つまり、単なるプログラムの規則や方法のみでは認められない。

<関連法規>

審査指南第1部 第九章 コンピュータプログラム;日本語
第九章 第九章 コンピュータプログラムに係わる発明専利出願の審査に関する若干の規定
1. 序文
コンピュータプログラムに係わる発明専利出願の審査は、ある程度の特殊性を有する。本章では、専利法及びその実施細則の規定に基づき、コンピュータプログラムに係わる発明専利出願の審査の特殊性について具体的に規定することを趣旨とする。
コンピュータプログラムに係わる発明専利出願の審査には、ほかの分野の発明専利出願と同様な一般性も有する。本章に言及のない一般的な審査事項については、本指南のほかの章の規定に準拠して、コンピュータプログラムに係わる発明専利出願を審査しなければならない。
本章でいうコンピュータプログラム自体は、ある種の結果を得るため、コンピュータなど情報処理能力を備える装置が実行するコード化された指令の組み合わせ、若しくはコード化された指令の組み合わせに自動的に変換できる符号化された指令の組み合わせ、又は符号化された語句の組み合わせをいう。コンピュータプログラム自体にはソースプログラムとオブジェクトプログラムを含む。
本章でいうコンピュータプログラムに係わる発明とは、発明で提示する課題を解決するため、コンピュータプログラムの処理フローが全部又は一部の基礎となっており、コンピュータが前記フローに沿って作成されるプログラムを実行することにより、コンピュータ外部又は内部の対象を制御、又は処理する解決方案をいう。ここでいう外部の対象に対する制御又は処理には、ある外部の実行手続、或いは外部の実行装置に対する制御や、外部データに対する処理や交換などを含む。ここでいう内部の対象に対する制御又は処理には、コンピュータシステムの内部性能の改良やコンピュータシステム内部のリソースの管理とデータ伝送についての改善などを含む。コンピュータプログラムに係わる解決方案にコンピュータハードウェアの改変を含めることは必須ではない。
2. コンピュータプログラムに係わる発明専利出願の審査基準審査において、保護を請求する解決方案、つまり、各請求項により限定される解決方案を対象としなければならない。
専利法 25 条 1 項(2)号の規定によると、知的活動の規則及び方法には専利権を付与しない。コンピュータプログラムに係わる発明専利出願で本部分第一章第4.2 節に述べる状況に該当する場合には、当該節の原則に従って審査する。
(1)ある請求項が、1 種の計算方法或いは数学上の計算規則、若しくはコンピュータプログラム自体や媒体(例えば磁気テープ、ディスク、オプティカルディスク、光磁気ディスク、ROM、PROM、VCD、DVD 或いはその他コンピュータ読み取り可能な媒体)だけに記憶されるコンピュータプログラム、又はゲームの規則や方法などだけに係わるものである場合には、当該請求項は知的活動の規則及び方法に該当するものであり、専利保護の客体には属さない。
ある請求項は、主題の名称を除いて、これを限定するすべての内容が、1 種の計算方法或いは数学上の計算規則、若しくはプログラム自体、又はゲームの規則や方法などだけに係わっている場合には、当該請求項は実質として、知的活動の規則及び方法係わるだけのものであり、専利で保護する客体にならない。
例えば、記憶されたプログラムだけにより限定されるコンピュータ読み取り可能な記憶媒体又は 1 種のコンピュータプログラム製品、或いは、ゲームの規則だけにより限定されており、如何なる物理的な実体も含まない特徴により限定されるコンピュータゲーム装置などといった、如何なる技術的特徴も含まないものは、実質として、知的活動の規則及び方法だけに係わっているため、専利保護の客体に該当しない。ただし、発明専利出願で保護を請求する媒体は、その物理特性の改良に係わっている場合、例えば、積層構造やトラックピッチ、材料などは、この類に該当しない。
(2)前述(1)に述べた状況を除き、もしある請求項が限定するすべての内容に、知的活動の規則及び方法の内容も含まれていると同時に、技術的特徴も含まれている場合、例えば、前記ゲーム装置などを限定する内容にゲームの規則も技術的特徴も含まれているなら、当該請求項は全体として、知的活動の規則及び方法でないため、専利法 25 条に準拠して専利権を獲得する可能性を排除してはならない。
専利法 2 条 2 項の規定によると、専利法にいう発明とは、製品、方法又はその改善に対して行われる新たな技術方案を指す。コンピュータプログラムに係わる専利の出願は、技術方案を構成した場合に限って、専利保護の客体となる。
もし、コンピュータプログラムに係わる発明専利出願の解決方案において、技術的課題を解決することがコンピュータプログラムを実行する目的であって、コンピュータでコンピュータプログラムを実行して、コンピュータ外部又は内部の対象を制御、又は処理する際に、自然法則に準拠した技術的手段が反映されており、それによって自然法則に合致した技術的効果を獲得する場合には、このような解決方案は、専利法 2 条 2 項でいう技術方案に該当し、専利保護の客体に該当する。
もし、コンピュータプログラムに係わる発明専利出願の解決方案において、コンピュータプログラムを実行する目的は、技術的課題を解決することではない、若しくは、コンピュータでコンピュータプログラムを実行して、コンピュータ外部又は内部の対象を制御、又は処理する際に、自然法則を利用した技術的手段が反映されていない、或いは、自然法則に規制されないような効果を獲得する場合には、このような解決方案は、専利法 2 条 2 項でいう技術方案に該当せず、専利保護の客体には該当しない。
例えば、もし、コンピュータプログラムに係わる発明専利出願の解決方案において、コンピュータプログラムを実行する目的は、ある工業プロセスや、測定又はテストプロセスの制御を実現することであり、コンピュータで工業プロセスの制御プログラムを実行し、自然法則に従って、当該工業プロセスの各段階で実施される一連の制御を果たすことにより、自然法則に合致した工業プロセスの制御の効果を獲得する場合、このような解決方案は、専利法 2 条 2 項でいう技術方案に該当し、専利保護の客体に該当する。
もし、コンピュータプログラムに係わる発明専利出願の解決方案において、コンピュータプログラムを実行する目的は、ある外部の技術的データを処理することであり、コンピュータで技術的データの処理プログラムを実行して、自然法則に従って、当該技術的データで実施される一連の技術的処理を果たすことにより、自然法則に合致した技術的データの処理の効果を獲得する場合には、このような解決方案は、専利法 2 条 2 項でいう技術方案に該当し、専利保護の客体に該当する。
もし、コンピュータプログラムに係わる発明専利出願の解決方案において、コンピュータプログラムを実行する目的は、コンピュータシステム内部の性能を改良することであり、コンピュータでシステム内部の性能改良プログラムを実行して、自然法則に従って、当該コンピュータシステムの各構成部で実施される一連の設定や調整を果たすことにより、自然法則に合致したコンピュータシステム内部の性能改良の効果を獲得する場合には、このような解決方案は、専利法 2 条 2項でいう技術方案に該当し、専利で保護する客体に該当する。
(審査指南第1部 第九章 コンピュータプログラム;JPO)
【引用】特許庁 外国産業財産権制度情報

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